「脱力教師」寿々丸のBASE CAMP

「熱血教師」とは真逆の「脱力教師」を目指す。叱らない、教えない、しゃべらない・・・あるがままの子どもを受け止め、子どもとともに学び合っていく学級・学校づくりに挑戦。

「タスマネ」で定時退勤しよう!① 

「タスマネ」とは業務管理(タスクマネジメント)すること

コロナですっかり分散出勤や在宅勤務に馴染んだ教員も多いかと思いますが、平常時は超多忙で毎日のように残業が続き定時退勤が難しいですよね。
時間のある今のうちに、しっかり準備をして学校再開後もスマートな働き方を目指したいものです。

そのために重要なのが業務管理(タスクマネジメント以降略してタスマネ)です。

ディープワーク1

小学校教員である私は、自分自身のタスマネをすることで、ほぼ毎日定時退勤することが可能となりました。
すべての人、業種に効果があるかどうかはわかりませんが、Cal Newportの「DEEP WORK」という概念を参考に自分なりに構築してきたタスマネ術をご紹介したいと思います。


「仕事は優先順位の高い順にやっていく」はもう古い!

「仕事は優先順位の高い順にやっていく」なんて話を聞いたことがありますが、はっきり言ってもう古いです。
以前の私は、締め切りが迫った教育委員会に提出するアンケートや報告書、恒例の学校行事の準備などを優先した結果、本当に自分が力を入れたい新しい実践開発や効果的な授業計画が後回しになってしまいがちでした。

結論から言いますと、私のおすすめするタスマネは、あらゆる業務を「ディープワーク」と「シャローワーク」に分けて、ディープワークはまとまった時間に、シャローワークはそれ以外の時間でやっつけるという手法です。

ディープワーク2

 

ディープワークとは

ディープワークとは、知的思考・集中を要する職業上の活動です。ディープワークは、認識能力を高め、新たな価値を生み、スキルを向上させます。ある程度まとまった時間に取り組むのがよい業務です。
教員の場合は、新しい実践の開発や効果的な授業の探究などがそれにあたるといえます。
一般のビジネスパーソンであれば、新しいプロジェクトの創設や効果的なビジネス戦略の追究などがディープワークにあたるといえます。

ディープワークには、たとえ苦しみの中にいたとしても喜びを感じることができる神経学的利点、やり遂げたときの精神状態”フロー”に達する心理学的利点、仕事の意義を生み出す哲学的利点があるとされています。

 

シャローワークとは

一方、シャローワークとは、知的思考や集中を要しない補助的な業務で、注意散漫な状態でもできるものをいいます。あまり新しい価値を生み出しません。
職員室で同僚と雑談をしながらでもできるような仕事はたいていシャローワークだといっていいでしょう。
テストの丸つけなどは、優先順位は高く重要とされる仕事ではあるものの、案外慣れてくればそれほど知的思考や集中は不要なシャローワークだと思います。
一般のビジネスパーソンであれば、メールの返信、だれがやっても同じ結果になる書類の作成・事務処理などはシャローワークにあたるといえます。

 

タスマネの新基準

今回、タスマネを紹介するにあたって強調しておきたいことは、「知的思考・集中・まとまった時間」を基準に述べている点です。
その業務の優先順位が高いかどうか、重要かどうか、ではありません。
一般的に多忙な教員にとって、「まとまった時間」を確保するのは難しく、いわゆる授業の空き時間(他の教員が授業をしてくれている時間)か、終業から退勤時刻までの放課後1,2時間ぐらいしかありません。
そのわずかな時間にディープワークに心血を注ぎ、それ以外の時間でシャローワークをやっつけていく(あるいはシャローワークそのものを削減する)という斬新な手法です。

ディープワーク3

ディープワーク4


多忙な教員だからこそ、こうした観点でのタスマネをお勧めしたいと思います。
また、昨今話題に上る業務改善や働き方改革にも寄与することと思います
具体的な取組については、次回以降詳しく紹介していくので、楽しみにしていてください。

今こそディープワーク

最後に、休校が続く今はまとまった時間を確保できるディープワークにうってつけの時期だといえます。
この貴重な時間を、雑務や雑談でだらだら浪費するのは実に惜しいです。
今この時間、じっくりとディープワークに取り組み、来るべき学校再開時にフルパワーで働けるようにしておきたいと思います。

私もディープワークで執筆に打ち込み、近々タスマネ第2回を発表できるよう頑張りたいと思います。
ご期待ください。

参考文献 カル・ニューポート著 門田美鈴訳(2016)『大事なことに集中するー気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法ー』(ダイヤモンド社